高尾山古墳保存問題 全国邪馬台国連絡協議会の取組み 当会は静岡県沼津市の高尾山古墳保存問題について、会長及び全理事監事名で 下記の【静岡県沼津市高尾山古墳の保存を求める声明】を、８月９日付けで文化庁長官 ・静岡県知事・県教育長・沼津市長・市教育長へ送付しました。 以下、送付した文書の全文です。
２０１５年８月９日 沼津市長 栗原 裕康様 全国邪馬台国連絡協議会 会長 鷲崎 弘朋 「静岡県沼津市高尾山古墳の保存を求める声明」の送付について 全国邪馬台国連絡協議会（以下、当会）は、邪馬台国と古代史解明を目指して昨年4月 にスタートした新しい全国組織です。当会はその目的を遂行するため、学術研究、古代 史サミットやシンポジュームの開催を初め、遺跡・古墳などの調査活動への参加、古代 史ツアーの開催、全国の会や団体との交流などを企画しております。 （ＨＰ http://www.zenyamaren.jp/ 及び添付の第１回全国大会資料を参照下さい） さて、当会では、本年8月9日の理事会において、別紙のとおり、静岡県沼津市高尾山 古墳の保存を求める声明を発出しましたので、送付いたします。 本声明の趣旨をおくみ取りいただき、ご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 記 別紙書類 一通 以上 （注）この文書の送付先は以下の通りです。 文化庁長官 青柳 正規様 静岡県知事 川勝 平太様 静岡県教育長 木苗 直秀様 沼津市長 栗原 裕康様 沼津市教育長 工藤 達朗様 【連絡先】 鷲崎弘朋（ワシザキ ヒロトモ） 〒176-0025 東京都練馬区中村南3-15-4 電話・ＦＡＸ：03-3998-2902 携帯：090-3218-8622 メール：RXB06344@nifty.ne.jp
静岡県沼津市高尾山古墳の保存を求める声明
静岡県沼津市東熊堂の高尾山古墳は、2008〜09年度の発掘調査で、古墳時代最初期の 全長62.2ｍの前方後方墳と判明しております。この高尾山古墳は、弘法山古墳（長野県 松本市、全長63ｍ）と並び、東日本で最古・最大級の「初期国家形成過程の画期的な古 墳」で、国民共有の文化遺産として後世へ保存されるべきと思われます。 ところが、都市計画道路の予定地内にあり、全面取り壊しの方針が沼津市から発表さ れています。これに対し、日本考古学協会が「古墳保存を求める会長声明」を出してお ります。また、地元でも保存運動が行われています。全国邪馬台国連絡協議会としても、 これらの保存運動に賛同し、「古墳保存を要請する声明」を出すことに致しました。 本件につき、以下の２点を強調したいと思います。 @沼津市は記録保存の「全面発掘」を行いつつ、古墳全てを削り取る方針でした。しか し、初期古墳時代の列島全体像に不明点が非常に多い現状では、全面発掘しても高尾 山古墳の位置づけ等を、今回発掘だけで全て明らかにするのは不可能です。また、古 墳・遺跡の発掘調査技術や測定精度は近年大きく進歩してきました。今後も更に向上 するでしょうから、将来の再調査で新たな学術的展開も期待できます。しかし、完全 破壊・消滅させると、将来の再調査が不可能となります。従って、高尾山古墳を文化 遺産として保存すると共に、将来の再調査への道を残す必要があると考えます。 A都市計画道路は、もともと国道246号線と国道1号線を結ぶ道路として計画されたと 聞いております。しかし、東名高速沼津インターから国道１号線までの「ぐるめ街道」 （約3q）が整備され、国道246号線は「ぐるめ街道」経由等で国道1号線へ既に接続 しております。従って、「国道246号線」「国道1号線」を結ぶ新たな幹線道路の必要 性は、以前と比較してやや薄れていると考えられます。 ただし、高尾山古墳付近の生活道路は渋滞と交通事故の危険があると聞いております。 従って、幹線道路では無く「生活道路の整備」との視点で、「古墳保存」との併存・ 共存をご検討いただくよう、要請いたします。 なお、8月6日、沼津市は「高尾山古墳の保存と都市計画道路 沼津一色線の整備の両 立を図るための協議会を設置します」と発表しました。この協議会において、本声明の 趣旨が反映されるよう、要請いたします。 2015年8月9日 全国邪馬台国連絡協議会 理事 会長 鷲崎弘朋 理事 笛木亮三 理事 副会長（東京代表） 内野勝弘 理事 斉藤弘昭 理事 副会長（中四国代表） 田中文也 理事 下枝広明 理事 副会長（近畿東海代表）井上修一 理事 関口佳郎 理事 副会長（九州代表） 関家敏正 理事 後藤幸彦 理事 事務局長 菊池秀夫 理事 河村哲夫 理事 会計 松本洋二 理事 竹村紘一 理事 メディア委員長 河原宏 理事 種村凱夫 監事 本山裕彦