天照大御神が女性であることは常識で、学会その他では、女性を前提として議論されています。もちろん、定説と異なる説を出すことそのものは否定しません。

しかしその場合には、よほどしっかりした根拠が必要です。天照大御神が男である根拠としてホツマ伝が挙げられるようですが、まず真作か後世の偽作かが検証されなければなりません（ただし、真作としてもホツマ伝に書かれていることが史実かどうかは別問題です）。

その検証も十分せずに、「天照大御神は男である」とか「歴史学会の常識に反する古代史の構造」というようなことを、ホツマ伝をほとんど唯一の根拠として提案するのは極めて危険です。
場合によっては、「ホツマ伝などと言う怪しげな伝承をほとんど唯一の根拠として、天照大御神が男などと言うのは論外、素人の戯言」、と言われかねません。

従って、ホツマ伝が真作か偽作なのかを、客観的また多面的に十分検証された上で提案されることを要望します。そうでなければ、ホツマ伝にもとづいた結論は説得性がありませんし、すべて砂上の楼閣となってしまいます。